【鳥栖工業 駅伝 14年連続48回目 都大路へ】part3 古川監督の思い
野球の「甲子園」、サッカーの「国立」のような駅伝の憧れの舞台といえば「都大路」。その切符をかけた佐賀県高等学校駅伝競争大会が10月29日に開催された。鳥栖工業高校は、第1区〜第7区まで全員が区間賞を獲得し、14年連続48回目の都大路を決めた。
本特集では、鳥栖工業高校駅伝部の佐藤主将の思い、古川監督の思い、都大路での目標など3記事に分けて紹介する。
第3弾となる本記事では、28年間このチームを率いてきた古川監督へのインタビュー。鳥栖工業の強さの秘訣に迫る。
ーー今年はどんなチーム?
3年生を中心としてよくまとまったチームだと思います。1,2年生が力があって、3年生が2人しか入れないんじゃないかというところでしたけれども、駅伝シーズンになって意地を見せてくれています。
ーー選手の成長を振り返ると?
夏が過ぎてから急激に伸びたと思います。夏に合宿を計13日間(延べ4回)開催して、そこで地力をつけてくれたと思います。
ーー合宿の狙いは?
走り込みというところはもちろんあるんですけど、生活面から競技に対する心構えをきっちり作ろうというところが狙いですね。これを理解して取り組めた成果が今出てるんじゃないかと思います。
ーー「一人一人の意識が高い」この意識はどのように醸成されるのか?
目標設定をしていることが影響していると思います。学期ごとに3段階の目標を設定しています。「目標設定シート」というものがあるんですけど、それにはその目標をなぜ達成しなければならないのか、自分の課題点はどこか、目標達成のためには毎日どういうことを行えばいいのかというようなことが記されています。これを生徒は袂に置いているので目標に対してブレずにいれるというところはあると思います。
あとは、練習をやっている中で、「あいつがあのタイムを出せたんなら俺にもやれる」というような競い合いで成長していくこともあると思います。
ーー鳥栖工業の強さは5,000mに表れている?
5,000mのタイムは指標のようなもので、15分を切れば県内でも強いと言われますが、うちのメンバーは22名が14分台で走ります。みんなが「俺もやれる」という気持ちでやっているんじゃないかなと思います。
ーー都大路は先生にとってどんな大会?
指導者になってから10年近くはなかなか全国の舞台には行けませんでした。長距離ランナーにとっては「聖地」であり、「憧れの舞台」です。私も人生の大半を費やしてきましたので、大袈裟ですが、「人生」そのものと言えるのではないかと思います。
全国の舞台で、あの興奮、あの感動を一人でも多くの生徒に味わってほしいと思います。
ーー全国駅伝への手応えは?
1,2年生が主要区間を走ることになると思うので、このメンバーでどれだけ戦えるのかというところで昨年(17位 2:06’32”)を越えられたらいいかなと思います。
男子第74回全国高等学校駅伝競走大会はたけびしスタジアム京都をスタート、フィニッシュとするたけびしスタジアム京都付設駅伝コースで開催される。12時30分出発。