【佐賀清和 5年ぶり駅伝優勝 都大路へ】part1 チームを変えた覚悟
野球の「甲子園」、サッカーの「国立」のような駅伝の憧れの舞台といえば「都大路」。その切符をかけた佐賀県高等学校駅伝競争大会が10月29日に開催された。この大会では、王者白石高校を前に3年連続で準優勝。しかし、3年前は3分47秒差、2年前は1分52秒差、昨年は3区まで先頭を走っての38秒差と優勝に近づいていた佐賀清和高校が5年ぶり7度目の優勝を果たした。
本特集では、佐賀清和高校駅伝部の優勝までの道のり、都大路での目標など3記事に分けて紹介する。第1弾となる本記事では、昨年の駅伝大会で1年生ながらに5区を走り、今年の駅伝で1区区間賞となった古澤由奈選手に迫る。
お姉ちゃんの姿を見て
高校に入るタイミングで陸上をするかしないか迷っていた古澤選手。佐賀清和で陸上をしていた姉の頑張る姿に心惹かれ、陸上を続けることを決意した。
鳥栖からの通学
鳥栖市から電車で通学。身体のケアなどに時間を使うために電車で日誌を書くなどできることをするという。
背中が見えているのに追いつけなかった準優勝
昨年の佐賀県高等学校駅伝競争大会で1年生ながらに5区を任された。白石高校の背中が見える位置で襷を受け取ったが、抜くことはできなかった。「先輩から繋いでもらった襷を1位で届けることができなかった。抜ける距離だったけど、自分の力不足で抜くことができなかった。」
悔しさから決めた覚悟
「自分が1区を走ってリードをつければ、去年の私のような思いをさせないでいい。」強い思いで覚悟を決めた。
顧問の樋渡先生は、「古澤の覚悟が他のみんなに伝わっていって、いい方向に向かっていった。特に2年生はその思いで1つになっていったと思います。」と振り返った。
去年とは違う引っ張る立場で
「速い3年生にがむしゃらについていっていた。」と1年生のときを振り返る。今年は引っ張る立場になり、考えも変わった。先頭に立っていい流れをつくるためにより高みを目指して陸上と向き合った。
必ず1位で襷を繋ぐ
そして迎えた本番当日。開始から白石高校と競り続け、2番手のポジションをキープした。残り約800mでスパートをかけ、宣言通り1位で襷を繋ぎ、全員で優勝を果たした。
古澤選手の覚悟がチームを変え、一人一人に影響を与えていた。
第2弾では、チームを引っ張ってきた塚本主将の思いに迫る。