【燃ゆる感動かごしま国体】ボート 石塚慎之助選手「佐賀県へ恩返し」
10月7日(土)から開催される燃ゆる感動かごしま国体。「熱い鼓動 風は南から」というスローガンには、熱戦を繰り広げるアスリート達の熱い鼓動と会場に響きわたる歓声が、鹿児島から南の風に乗って全国に広がってほしいという思いが込められている。本記事では、今年5月に開催された全日本選手権で準優勝という結果を残し、ボート競技にダブルを組み出場する石塚慎之助選手について紹介する。
ボートにのめり込んでいった高校時代
福島県出身の石塚選手は、中学3年生まで剣道をしていた。進学した高校の部活動体験会で勧誘されたのがきっかけでボートと出会った。
ぐんぐんと成長し、高校2年生で出場した国体で初めての全国大会入賞。高校3年生時には19歳以下の日本代表にも選出された。
高校時代を振り返って、「当時から体が大きくて有利ということもあるんですが、ボートでは自分が努力した分だけ結果が返ってくることに面白さを感じて、どんどんのめり込んでいきましたね。」と語った。
中央大学へ進学
「さらに上のステージでやりたい」という気持ちと「エイト(9人乗り)に対する憧れ」から中央大学へ進学した石塚選手。
エイトでインカレ優勝を目指し続けた4年間を過ごした。1・2年と3位という悔しい結果だったが、3年時に中央大学は14年ぶりとなるエイト優勝に貢献した。
自分を見つめ直して新たなチャレンジ
腰の不調を抱えていた石塚選手は大学卒業後はボートから離れて就職しようと考えていた。
トレーニング方法を変え、自分の体を見つめ直して自分の腰と向き合っていくうちにまだまだ伸び代があることに気づいたという。
腰が改善された石塚選手はさらなる進化を求めて愛知県トヨタ紡織へ。その後、より楽しくボートができる環境を求めて2022年からチームSSP(佐賀県スポーツ協会)に所属している。
ボートの魅力
「1つの船を大人数で動かそうとすると合わないことがほとんど。でも、そこがバッチリあった時、船が空を飛んでいるような、水の上を滑走しているような感覚があって。レースでその瞬間を体験できたあの感動は何物にも変え難いものがありますね。」
この感動を求めてボートに乗っているとも語った石塚選手。そしてその感動を味わうためには全員の信頼関係が必要となる。
「船を早く進める」という一つの目標に向かって仲間と一つになっていく。石塚選手にとって大学3年時の優勝メンバーは家族以上の存在だという。この信頼関係を得られるところもボートの魅力だ。
周りに左右されないメンタリティ
元々は緊張に弱いタイプだったという石塚選手。
風が強かったり、速い選手が同じレースにいたりというところからナーバスになってしまっていた。
しかし、「相手がどれだけ早くても自分のベストを出せなかったら勝てるものも出せない」と考え方が切り替わっていき、年を重ねるごとに土壇場になればなるほどパフォーマンスが出せるように。
佐賀県に恩返し
「県外出身ではありますけど、去年から唐津に住まわせていただいていて、佐賀のことが大好きですし、自分のパフォーマンスを最大限出すことが佐賀県への一番の恩返しになると思うので、かごしま国体、そしてSAGA2024と優勝して恩返ししたいです。」と語った。
燃ゆる感動鹿児島国体のボート競技は、9/21(木)~9/24(日) 、鹿児島県鹿屋市輝北ダム特設ローイングコースで開催される。