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佐賀バルーナーズ U18 を牽引する HC 元安陽一さん「選手が "このチームに来たことで良い人生を歩めた" と思えるような場所にしたい」

配信:
2023/6/15 22:00:04
取材:
2023/5/19 10:00:00
佐賀バルーナーズ U18 を牽引する HC 元安陽一さん「選手が "このチームに来たことで良い人生を歩めた" と思えるような場所にしたい」
サポーター名鑑佐賀バルーナーズバスケットボール

2023年5月、悲願のB1昇格とB2優勝を遂げた『佐賀バルーナーズ』。今、県内外から注目を浴び続けているバルーナーズには、18歳以下の選手で構成されるU18のユースチームが存在する。B1リーグに参加するチームにはBリーグの規定によりU18チームの設置が義務付けられている。昨年、B1参入を目指すバルーナーズはU18チームを設置した。ただ、発足して間もないBリーグにおいて、U18の大会は、高校総体やウィンターカップなどの高体連チームが参加する大会と比較するとまだまだ認知度が低いのが現状だ。今回の特集では、こうした状況下で自ら望んでバルーナーズのU18チームに入団した選手たちの思いや、BリーグトップチームでのHC経験もあるU18チーム指揮官の思いを聞く。

Part1となる本記事では、U18チームを牽引するヘッドコーチ(HC)の元安陽一さんを紹介する。BリーグトップチームでのHC経験もある元安さんはどのような思いで日々、指導されているのだろうか。

元安陽一 さん


ーー佐賀バルーナーズのU18チームでコーチをすることになった経緯を教えてください。

バルーナーズがB1を目指すうえで、いくつかクリアしなければならない要件がありました。その要件の1つとして「U15、U18のチームを保有する」という項目があり、昨年(2022年)の4月にこのU18チームが立ち上がりました。そのとき、かつて私が秋田ノーザンハピネッツでアシスタントコーチを務めていたときに関わっていた水町(現・佐賀バルーナーズU15 HC)から声をかけてもらって、そういったご縁とタイミングが重なって、2022年4月に佐賀バルーナーズのU18ヘッドコーチに就任いたしました。

ーー様々な土地でコーチを経験されていますが、佐賀の土地の印象はいかがですか?

かつて佐世保に住んでいたこともあり、佐賀には何度か遊びに来たことはあったので、全く知らない土地では無かったですね。

1年間生活してみて、子どもたちが遊ぶような自然も多いですし、近所の方々もすごく優しくて、子どもたちを孫のように可愛がってくださっています。
先日、トップチームの公式映像での解説がぶんぶんテレビでも放送されたときも「テレビ見たよ!」と声をかけていただいて、子どもがいる親として、近所の方々の温かさに安心感があります。

ーー今、コーチングの中で大切にされていることについてお聞かせください。

このチームの設立時から選手に伝えているのは「あくまでここは通過点で、ゴールではない」ということです。このチームで経験を積んだ選手たちが大学やプロといった次のステージで活躍していってほしいです。

また、バスケットボールプレーヤーとしてだけではなく、一人の人としての成長も大切にしたいと強く思っています。全員がプロ選手になれるとは限りませんし、仮にプロ選手になれなかったとしても、ここにいる彼らが全員、このチームに来たことで良い人生を歩めたと思えるような場所にしたいと常に思っています。

ーーこのチームの特徴について教えてください。

現状としては私たちのチームに限らずBリーグのU18チームは、大きな大会がなかったり、進学時のスポーツ推薦で優遇されるような何かがあるわけではなかったりと、発展途上の段階です。このチームからプロ選手を輩出するようになることが理想ではあると思いますが、Bユース全体としてまだその理想には到達できていない状況です。

ただ、今、ここに所属している選手たちはバスケットボールが大好きで、もっと上手くなりたいという思いを持った選手が集まっています。そして、高校の部活では活躍できなかったけれども、もっと自分を高めるために入団したという選手もいます。

中学時代のコーチや高校の先生から「この1年ですごく上手くなったね」と言ってもらえるような選手もいます。現在の登録選手は9人と少数精鋭でやっていますが、向上心を持った選手が多いというのがこのチームの特徴です。

ーー選手たちにどのような選手、人間に育ってほしいか、元安さんの思いをお聞かせください。

「どんなにシュートが上手くても、ドリブルが上手くても、パスが上手くても、プロ選手にならない限りそれが役に立つことは無い」ということは、ユースの選手やスクールで関わっている子どもたちに常々伝えています。技術的な成長もさることながら、チームメイトと話し合って協力したり、自分の意見を伝えたり、いろんなことを考えて行動したりと、バスケットボールを通して生きる力をどう育むかということを大切にしています。

ミーティングのときも時間があれば全員に話す機会を提供したり、練習の動画をアプリで共有して感想を他の人が分かるよう記入したりしていますが、このようにバスケットボールを通して書くこと・話すこと・聴くことの力を身につけてほしいという思いを持って接しています。

ーー先日、トップチームがB1昇格を決めましたが、ユースチームにも良い影響があったりしましたか?

もちろん、昇格した喜びはありますが、まだ今の時点ではそれほど影響は実感していません。来シーズンが始まると、いろいろな変化や影響が出てくるかもしれませんね。

ーー普段、トップチームとユースチームの選手同士の交流はありますか?

シーズン中は難しいことも多いですが、オフシーズンは選手がユースの練習に参加してくれたり、逆にユースの選手がトップチームの練習に参加したりすることはあります。何回か継続的に練習に来てくれるトップチームの選手もいて、ユースの選手からすると、プロの選手が自分の名前を覚えてくれて、直接指導をしてくれるという経験はかけがえのない財産になっていると思います。

あとは、トップチームのミーティングを見学したり、ホームゲームのモッパーを担当したりもしていますね。そういった意味では、ユースの選手たちにとってトップチームの選手は近い存在だと思います。

ーー今後、チームとして目指すことや選手に期待することを教えてください。

いろいろな大会があるので、それらの大会に勝利すること、を目標に据えることは非常に分かりやすいとは思いますが、 それだけではなく、今いる選手たちが5年後、10年後に何をしているのかということに目を向けていきたいです。
プロ選手になっている子、コーチになっている子、バスケとは関係なく社会人として活躍している子、様々だとは思いますが、そこに至るきっかけが「バルーナーズU18にいたから」となってくれたらいいなと思っています。
だからと言って、試合の勝利を目指さないというわけではありませんが、試合の勝利や大会での活躍を目指す中で一人の人間として成長していくことを一番大切にしたいと思っています。



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元安 陽一(もとやす よういち)さん

山口県出身、42歳。
佐賀バルーナーズU18ヘッドコーチ

日本バスケットボール協会公認S級コーチ・ジュニアエキスパート・コーチデベロッパー、日本スポーツ協会公認バスケットボールコーチ4・ジュニアスポーツ指導員、保健体育教諭専修免許(中学校・高等学校)など、多くの資格を持つ。

中学生からバスケットボールを始める。早稲田大学スポーツ科学部に進学し、大学2年生から学生トレーナーとして活動を始める。4年生時の教育実習で部活動指導を経験したことがコーチを志すきっかけに。関東の企業チームや大学の部活動などでコーチを歴任し、東京サンレーヴスのアシスタントコーチとしてプロコーチのキャリアが始める。その後、秋田ノーザンハピネッツ、大阪エヴェッサのコーチや大学の准教授、トライフープ岡山のヘッドコーチなど、様々なチームで指導者としてのキャリアを積む。2022年4月に佐賀に移住。現在は、佐賀バルーナーズのU18ヘッドコーチを務める。


記事
株式会社WIDE - 北原誠大

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