【佐賀清和高校男子ハンドボール部】「堅守速攻」 監督と選手、全員で創りあげたスタイル

県内王者として君臨し続けている佐賀清和高校男子ハンドボール部。本記事では、「堅守速攻」のスタイルはいかにして創られたのか、そしてインターハイへの挑戦について、2本に分けてご紹介。
今回は、主将の魚永明希選手と監督の船津先生にお話を聞いた。
今までやってこなかった「堅守速攻」
過去10年の間、ほとんどインターハイへの切符を掴んできた清和。県外の強豪からの勝利を上げるべく「堅守速攻」はしていなかった。
自分達より強いチームを相手にいかにロースコアの展開に持ち込んで、競ったゲームで勝負できるか。じっくり時間を使って、ボール保持率を高め、相手がボールを持つ時間を短く、攻撃回数を少なくするスタイルだった。
では、どうして正反対の戦い方とも言える「堅守速攻」を選んだのか。
十分に点を奪える
堅守速攻への方針転換は、昨年度のチームから行われた。1年時から試合に出ている城島選手(3年)や主将の魚永選手(3年)を筆頭に強豪相手でも点を奪える選手がチームに加入した。
監督の舩津先生は、「今までのスタイルを崩して、どんどん点を取りにいくスタイルにすべきだと思いましたし、それができるチームでした。いい変化だったと思います。」と当時を振り返る。
県外での敗北、さらなる進化へ
2月、全国選抜への出場権を賭けた九州予選が行われた。初戦、この大会の準優勝となった長崎県の強豪、瑣浦高校に敗北した。しかし、佐賀県予選を1位で通過していた清和にはまだ全国へのチャンスがあった。一縷の望みをかけての一戦、鹿児島県の国分高校に1点差で敗北。全国選抜へ出場することはできなかった。
主将の魚永選手は当時を振り返って、「瑣浦高校戦も国分高校戦も自分達のプレーをすることができなかった。自分達を見つめ直して、より攻撃に繋げるためのディフェンスを強化することにしました。」と話した。
守るディフェンスから奪うディフェンスへ
ハンドボールは6mラインより奥に侵入してシュートを打つことはできない。そのため、このラインが攻守の基準となる。全国選抜九州予選までの清和は、このラインに6人全員が並び、シュートを打つ相手に当たりにいく、0-6フォーメーションを取り入れていた。
相手の攻撃方法への対応や、ゲームスピード、攻撃への転換… 「堅守速攻」に必要なディフェンスを追い求めた。
現在は、0-6フォーメーションに加えて、1-5、低めの2-4、高めの2-4と計4種類のディフェンススタイルを持ち、相手や状況に合わせたディフェンスへと進化した。
監督、選手で一緒に創る
「このスタイルは選手と一緒に創ってきたものです。」監督の舩津先生はチームの主体である選手の意見をもとに試行錯誤を繰り返しながら積み重ねたと語った。「監督の言うことは絶対というやり方では、一人一人が相手によって判断を変えることができないし、その差に苦しませてしまうことになってしまいます。今は、これやってみてどう?とかやりやすい?とか選手から意見をもらって、チームの方針を決めていくようにしています。」
確実に進化を遂げている
2月の九州大会以降、県外の強豪との練習試合などで手応えを感じたという魚永選手。「大会の時ほど差があるなとは思わなくなっていましたね。身長が大きい城島と土橋を中心にディフェンスでプレッシャーをかけて、速攻で反撃する形が出来上がってきたと思います。」
県外での敗戦を経て、進化を遂げた清和高校男子ハンドボール部。
第2弾では、県総体、九州総体を振り返り、さらにインターハイに向けた思いに迫る。
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