【J2首位 FC町田ゼルビア 平河悠 選手にもインタビュー!】佐賀東高校 サッカー部 人工芝グラウンドが完成!
近年、吉田陣平(アルビレックス新潟)や宝納拓斗(福島ユナイテッドFC)、平河悠(FC町田ゼルビア)など多くのプロサッカー選手を輩出する県内屈指の強豪校である佐賀東高校。今年のチームは新人大会決勝戦で佐賀商業を8-0で破る圧倒的な強さを見せ、全国大会での活躍にも期待が集まる。
そんな佐賀東高校のサッカースタイルは「ポゼッションサッカー」。ボールを保持し、相手のゴールに迫るそのサッカースタイルに欠かせないのは確かな「技術」である。佐賀東高校のサッカースタイルの基盤となる高い技術力は、これまで当校のグラウンドで培われてきた。
しかし、そのグラウンドは全国常連校が練習するような人工芝のグラウンドではなく、よくあるただの砂のグラウンドである。いや、ただの砂のグラウンドですらないかもしれない。今回の記事を執筆する記者(:北原)は、高校時代、サッカーの試合で当校のグラウンドをよく使わせてもらっていたが、佐賀東高校のグラウンドは普通の砂のグラウンドより、さらにプレーしづらかったイメージがある。
もちろん、グラウンド整備が手抜きだったとか、そういった類の話ではない。むしろ、佐賀東高校サッカー部の部員はすごく丁寧にグラウンドを整備するし、当校が試合会場で雨天の日はみんなでスポンジを持って水抜きしてくれる素晴らしいチームだ。
取材当日も砂のグラウンドでは雨の中、1年生などが練習に励んでいた
このグラウンドの砂が重いのは佐賀東高校サッカー部でこれまでプレーをした多くの人が長い年月をかけて積み重ねてきたの努力の証なのである。佐賀東高校には、毎年100人を超える部員がいる。彼らが毎日、血のにじむような努力をこのグラウンドで続けてきた結果なのである。
サッカーを経験したことがある人やサッカーを見たことがある人ならイメージがつくかもしれないが、やはり、凹凸の無いグラウンドで練習した方が圧倒的に技術を発揮しやすいし、技術の成長スピードは速い。それが芝生のグラウンドであれば尚更である。佐賀東高校の部員たちは、他の全国常連高校のサッカー部と比較すると決して恵まれているとは言えないような環境でサッカーに打ち込み、自身の技術を高めてきた。環境を言い訳にすることなどは一切せず、全国大会でも強豪校相手に果敢にその技術を発揮してきた。その証拠に、これまでに何人ものプロサッカー選手を輩出している。
そして2023年4月、待望の人工芝グラウンドが佐賀東高校に完成した。人工芝グラウンドの整備にあたっては、佐賀東高校からSAGA2024や全国大会といった舞台で活躍する選手が育っていくことを願い、佐賀県がその費用を支援した。これから人工芝グラウンドで練習を積んでいく選手たちは一体、どんな成長を見せてくれるのだろうか。この佐賀の地からプロの世界へと羽ばたいていく選手が現れることが今後より一層期待される。
新しく完成した人工芝グラウンド
~人工芝グラウンド完成を受けて 主将・監督・現役プロ選手(OBの平河選手)にインタビュー!~
主将 宮川昇太 選手
Q.人工芝のグラウンドが完成して、率直な気持ちを教えてください!
今までは砂のグラウンドで練習をしていたので、パスコン(パス&コントロール)の質にこだわるにも限界がありました。人工芝ができたことで今までより、もっと高い質を求めてパスコンなどの技術練習を行うことができるので、とてもありがたいなと思います。
Q.人工芝のグラウンドを今後どのように活用していきたいですか?
全体の練習でも、チームとして質を高めることができますし、自主練の中でも、一人一人が今足りていない部分を伸ばすことができるので、チームとしても個人としても積極的に活用していきたいです。
Q.高校総体の意気込みをお願いします!
無失点・大量得点で佐賀東らしく勝ちます!
監督 蒲原晶昭 先生
Q.人工芝のグラウンドが完成して、率直な気持ちを教えてください!
本当にありがたい限りです。今、県内外のサッカー強豪校と呼ばれる私立高校は、フルコートの人工芝を持っている学校がほとんどです。そのような学校からすれば、佐賀東の人工芝グラウンドは「たったこれだけ」という印象を持たれるかもしれませんが、自分たちからすればこのような人工芝グラウンドを作っていただいたことに感謝しかないです。
今日(取材当日)も雨の中ですが、人工芝だとボールも走りますし、私たちが一番大事にしている「技術」が、より磨かれると確信しています。
Q.人工芝のグラウンドを今後どのように活用していきたいですか?
とにかく「技術」です。技術をより高いレベルに持っていきたいです。ご存知の通り、当校のグラウンドはボールがイレギュラーなバウンドをすることがしばしばあるような、非常に難しい環境でした。その状況と比べると、ボールが跳ねる心配が無いので、選手は顔が上がるようになりますし、姿勢も良くなります。これだけの環境で日々、練習ができれば更なるスキルアップにつながるだろうと期待しております。
Q.人工芝が完成したことにより、今後も多くのプロ選手が出ていくことが期待できるのではないでしょうか。
そうですね、この環境を作ってくれた方々のためにも、そういった選手が多く育っていくようにしたいです。
FC町田ゼルビア(佐賀東高校OB) 平河悠 選手
Q.佐賀東高校に人工芝のグラウンドができたことをOBとしてどう思いますか?
サッカーにより集中できる環境に生まれ変わる事を嬉しく思います。
Q.佐賀東高校時代は砂のグラウンドで練習されていたと思いますが、どんな思い出がありますか?
昼休みに早くご飯を食べてグラウンド整備や水抜きをしたこと、試合前にみんなで石ころ拾いをしたこと、厳しいフィジカルトレーニングの前に心の準備をしていたことなど沢山の思い出があります。
Q.佐賀東高校で培ったものの中で、特に今も生きているものは何がありますか?
サッカー面のボールタッチやドリブルの技術を磨けたことは、間違いなく佐賀東の3年間で培ったものだと思っています。
ただ、1番は気持ちの面だと思います。朝練があったので早朝4時15分に起きたり、毎週火曜日に厳しいフィジカルトレーニングに取り組んだり、往復約3時間の長い通学時間を毎日過ごしたりと、とても充実した3年間を送り、精神的に強くなれたことが今に生きていると感じます。
Q.後輩たちへのメッセージをお願いします!
楽しく、時には厳しい3年間だと思いますが、その3年間でこれからの人生が大きく変わります。自分の目標に向かって頑張ってください。私も負けないように頑張ります。応援しています!