【佐賀 総体 2024 注目チーム バスケットボール】佐賀北高校男子バスケットボール部 籾井監督 「自分自身から変革 勝利を渇望するチームへ」

2024年5月から開幕する佐賀県高等学校総合体育大会(高校総体)で活躍が期待されるチームを取材する本特集。
今回取材したチームは、佐賀北高校男子バスケットボール部。
昨年は3年生主体のチームで新人戦や総体、選手権など県大会無敗を達成した佐賀北。新2,3年生はそれまで県大会で負けたことが無かった。今年に入り新人戦、春季大会で3位と初めての敗北を経験した彼らはどう総体に向かうのか。
本記事では、籾井監督の総体にかける思いに迫る。
チームとして新たなスタイルにチャレンジを
昨年は県内無敗で、まさに「常勝軍団」となっていた佐賀北。今年のチームの課題感に繋がるものであるが、昨年は3年生主体のチームであり、今年から活躍している選手たちは経験値が少ないところが場面ごとにあるようだ。
“だからこそ”、なのかもしれないが、今年のチームが目指しているスタイルは「昨年の模範」がゴールではないようだ。
1人1人の良さをフル活用するチームへ
佐賀北のバスケといえば「強度の高いディフェンス」。これは県内では大きなブランド力を持っており、今更、根掘り葉掘り紹介せずとも...というくらい有名な強みであるわけだが、今年は、ディフェンスの強度を保ちながらも、より攻撃的なチームを目指しているようだ。
今年のチームの強みとして籾井監督が挙げられたのが、3P(スリーポイントシュート)を打てる選手が多いという点である。基本的な方針としては、3Pのアテンプト(試投数)を増やしていきながら、コートを広く使うこととなりそうであるが、まだ1つのスタイルとして「チームの形」とまではなっていないため、今後どのようにチームのスタイルが固まっていくのか注目点である。
W主将にはどのような理由が
まず最初に両主将の印象を籾井監督に聞いた。
宮田主将は真面目で優しくてしっかりしており、人柄がいい。井上主将はガッツがあってチームを盛り上げてくれる。
そもそも新3年生はみんなが真面目でリーダーシップが取れるとのことで、全員がリーダーとしての自覚があるチームのようだ。
それに加えて、新たな挑戦をするにあたって、「きちんと実行すること」と「実行中にモチベーションを維持すること」が必要となってくるわけだが、見事に2人がその役割を実行してくれるということで2人でチームを引っ張っていってほしいとW主将を採用することになったわけである。
監督としてのターニングポイント
昨年は県内の大会では無敗であったが、そのような状況であったことで籾井監督は自身に「必死さが足りていなかった」と反省する。もちろん慢心があったわけではなく、もっとがむしゃらに勝利を求める姿勢が必要であったと自身で感じたようだ。
「自分のどこかにあったスマートにやろうという部分が伝わっていたかもしれないですね」
「生徒は自分を映す鏡でもある」という籾井監督は現状に満足できておらず、自分を見つめ直す機会となっていたようだ。
選手たちがもっと目をギラつかせて、また県大会で優勝できるように普段の練習から自身も新たな姿勢で取り組んでいる。
負けから学び、最後に勝利を
3月に開催された九州大会では県大会を3、4位で通過したチームが集まるBパートで3位となったわけだが、勝ったり負けたり3試合を経験できたことには大きな収穫があったようだ。プロ野球で活躍された故野村克也監督の言葉の通り「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし。」とチームの現在地として、うまくいっている部分や総体までに上げていかないといけない部分が実戦を通して整理され、「改めて優勝する力はあると確認できた」と自信の一言であった。
監督である自分がまず変えていく
新年度は始まってすぐだが、このチームが全国の舞台で躍動できる機会はもう多くはない。そのようななかで少ないチャンスを掴み取るにはまだまだ変革が必要である。
春季大会まで終わって感じたものを監督である自分がまず変えていく。選手たちにも「絶対勝つ」「絶対に負けない」というギラギラ感を求めていく。戦術は今やっていることをさらにレベルアップさせる。そこに新戦力の良い影響でチームとして強くなって、総体からは優勝を誰にも渡さない覚悟だ。
株式会社WIDE - 永石恒陽