【燃ゆる感動かごしま国体】ウエイトリフティング 安嶋 千晶選手(チームSSP)「最高の得点をとって恩返ししたい」
10月7日(土)から開催される燃ゆる感動かごしま国体。「熱い鼓動 風は南から」というスローガンには、熱戦を繰り広げるアスリート達の熱い鼓動と会場に響きわたる歓声が、鹿児島から南の風に乗って全国に広がってほしいという思いが込められている。本記事では4月に行われた全日本選手権女子49キロ級で大会新記録で優勝した安嶋千晶選手について紹介する。
ウエイトリフティングにのめり込んだ高校時代
安嶋さんが入部したのは全国優勝を目指す部活動。「日本一になれるのは日本一の準備をした人だけだ」という顧問の言葉を受け、未経験から本気で日本一を目指した。安嶋選手は「自分ができる全てをやって、それで1番じゃなかったら仕方ないという感じで、自分にできる全てをやってみようかなと思っていました。」と当時を振り返った。
初めての全国大会で失格。そして成長。
初めての全国大会では記録を残せず失格。気持ちが大きくなり、日本一になれると勘違いしていたところがあったという。しかし、その失格のおかげで意識が変わった。家に帰ってからも自主的に練習し、1年生最後の全国選抜で初の全国優勝を果たした。
今日はきつい。やりたくない。という気持ちに負けそうになりながらも支えとなったのは、音楽と女子サッカー元日本代表の澤穂希選手の言葉だった。当時、Greeeenのprideを聴いて心を奮い立たせ、「できるかできないかじゃなくて、できたらどれだけ嬉しいかをイメージする」という言葉から自分が表彰台に登れたらどれだけ嬉しいかを考え、モチベーションを上げた。
引退を考えていた2019年茨城国体
高校卒業後、早稲田大学に進学しウエイトリフティングを続けた安嶋選手。膝の怪我もあり記録が伸びなかったという。大学卒業後は茨城国体チームへ。目標としていた東京オリンピックの出場権を獲得できず、2019年の茨城国体で地元に恩返しをして引退しようと考えていた。と同時に、茨城国体までの約半年で記録を10kg伸ばせたら続けようとも思っていた。
結果は記録を10kg以上更新し優勝。地元への恩返しと通常ではあり得ない成長の両方を成し遂げた。
「あのときは支えてくれた皆さんも含めて本当に私たちが成し遂げたんだというすごく嬉しい気持ちと一体感がありました。記録も達成したことでやっぱり辞めたくないと思いました。」
新型コロナウイルスの影響
茨城国体後、茨城県でスポーツジムの運営などを行うスポーツプラザ山新にアスリートとして採用された安嶋選手。週3日勤務で他の日を練習に充て、選手として活躍した。しかし、2020年に新型コロナウイルスが発生。大会は軒並み中止となり、営業のために週5日勤務へ。長引くコロナ禍で充分に練習できずに悩んでいるところに現在チームSSPでともに活動する生瀬選手から佐賀県への誘いが。「お世話になったところを簡単に止めるわけには」と相談したところ「競技に専念できる環境があるんだったら応援するよ」という言葉をもらって移籍を決意した。
自分の体で実験している
ウエイトリフティングの面白さを聞くと、実験と似ていると語った。自分の取り組んだことが現れやすいからこそ、食事を管理したら、トレーニングを変えたら、どんな実験結果が出るのかと努力を楽しんでいる。記録を伸ばすために必要だと思ったことを取り入れて、結果に繋がった時が面白いと話した。
県を背負うことへの思い
「結果を出してポイントを獲ることが私たちの仕事で、そのために見えないところでいろんな方が準備をして、サポートをして、応援してくださって、選手たちのためにとやってくれている。選手から直接は見えないんですけど、そういう方がいらっしゃることは忘れていけないと思いますし、感謝の気持ちを込めてやりたいし、結果を出したい。アスリートは結果でしか恩返しできない。」
SAGA2024を最後に
「茨城にいるときはどうしようと思っていたところを佐賀県に来させてもらって、競技に専念できる環境を作ってもらっているので、最高の得点をとって恩返ししたいと思います。県民の皆さんには、SAGA2024を最後に引退すると決めているので、12年間の全てを出し切ろうと思っていますし、6本全てをとって必ず優勝すると思っているので、その思いを見ていただけたらと思います。」
燃ゆる感動鹿児島国体のウエイトリフティング競技は、10/12(木)~10/16(月) 、鹿児島県薩摩川内市入来総合運動場体育館で開催される。