武器は「団結力」と「蹴りのキレ」武雄高校少林寺拳法部 全国への挑戦
シリーズ「かちスポ」。今回は少林寺拳法の話題です。唯一の地元勢として、今年佐賀で開催されるインターハイでの優勝が期待される武雄高校少林寺拳法部。「団結力」と「蹴りのキレ」を武器に、全国での挑戦が始まりました。
鋭い突きと蹴り…相手を制する投げ技…そして気合みなぎる表情…この武術は戦後間もない日本で生まれた少林寺拳法。
【金丸実結主将(2年生)】
「佐賀で日本一を獲れるように精いっぱい練習をしていきたいと思います」
県内唯一、少林寺拳法部がある武雄高校。2009年創部で去年、インターハイで約60チームが出場した女子組演武では5位、男子組演武でも4位など初めて3部門で入賞しました。
少林寺拳法は今年、佐賀でインターハイが開催。唯一の地元勢として期待が高まります。
【川副希良選手(2年生)】
「自分が強いことによって他人を助けられるという、思いやりの精神を大事にして練習しています」
創部から部の監督をしている高森英文監督は…
【少林寺拳法部 高森英文監督】
「高い目標に向かって、一心に努力をする精いっぱいやるというのを目標にしています。まあ仲がよくて気持ちを1つにして目標に向かっていけると思っています」
中国で少林寺を修得した宗道臣が、日本に帰国し考案した少林寺拳法。護身術を基本とした武術で、世界40カ国で約180万人の「拳士」がいます。
【少林寺拳法部 高森英文監督】
「突き蹴りなどの剛法と、投げ技固め技関節技などの柔法があります。高校生の競技としては組手みたいなものはなくて、演武をして採点する競技になります」
全国大会を前に気合は十分。特に力を入れているのは団体演武。2分間の短い時間で、技を組み合わせ技術力と表現力を競います。
【田口紗恵選手(2年生)】
「経験者が誰もいないので、自分の学年は。ゼロから始めた仲間なので、ともに高めあう存在って感じ」
2年生で構成する女子団体。演武ごとに反省点などを遠慮なく出しあい、団結力を培ってきました。
抜群の笑顔を見せる彼女たちもいざ演武が始まると…
「拳士」の顔へと一変します。
【岩永理子選手(2年生)】
「蹴りが得意なので、多く演武の中にも入れているのでそこを極めてもっと見てほしいです」
得意の蹴りで頂を目指す武雄高校少林寺拳法部。そこにはどんなに疲れていてもへこたれずチームを引っ張る絶対的な存在が…
チームの精神的な柱・金丸実結主将です。
【山口樹里亜選手(2年生)】
「丸(金丸選手)がやろうやろうってすぐ言うからみんなはいって言ってきつくても休まずに回数を繰り返すことができているので、ほんとうに助かっていて尊敬してますすごいなあって思います」
【金丸実結主将(2年生)】
「途中で疲れてしまったり気持ちがくじけてしまうと最高の演武ができないので、最後まで全力で演武をし通すというのが私たちの課題だと思います」
また、金丸主将に負けず、圧倒的な技術でチームに刺激を与えているのが1年生の原紳太朗選手です。小学2年生から少林寺拳法を始め九州大会の個人演技で優勝。女子団体の姉千智選手と姉弟で活躍しています。
【原千智選手(2年生)】
「(弟は)技とかもすごくうまくて、私の演武を注意してもらったり姉弟としても部活の後輩としても、楽しくていい関係がきずけてるかなと思います」
【原紳太朗選手(1年生)】
「姉とは小さい頃から一緒だったので安心感はあります」
16人の部員はほとんどが高校に入ってから競技を始めましたが、毎日2時間以上の練習を重ね精神や技術を鍛えてきました。そして・・・
先週、香川県で開かれた全国高校選抜大会。原紳太朗選手が男子単独演武で全国から集まった拳士たち79人の頂点に!また団体演武では女子が3位、男子が4位と佐賀インターハーイを前に創部以来最高の成績となりました。
【金丸実結主将(2年生)】
Q.佐賀インターハイの目標は?「佐賀インターハイでは、地域のみなさまに感動を与えられるような、力強い演武を部員全体でがんばって仕上げていきたいと思うので、応援していただけたら嬉しいです」