高志館高校ボクシング部 創部以来男子で初の全国優勝を果たした太田成恒選手に密着

シリーズでお伝えしているかちスポ。高志館高校ボクシング部の創部以来初めて全国優勝を果たした男子部員。さらなる高みを目指し武器のスピードに磨きをかけています。
【太田成恒選手】
「自分がパンチをもらわずに相手に当てるときとか、相手との駆け引きが楽しい」
高志館高校3年太田成恒選手。5月、大阪で開催された全国高校ボクシングの選抜大会で頂点に立ちました。
【太田成恒選手】
「勝ったときは、今までやってきたことが報われたんだなと」
佐賀市の高志館高校ボクシング場。鏡を前に額から汗を流しながら練習しているのが太田選手です。ボクシングは体重によって階級分けされていて高校生の男子は8つの階級に分かれています。その中でも太田選手の階級は重量級にあたる64キロから69キロまでのウェルター級。
5月に行われた全国大会の決勝では、相手との距離を保ちながらチャンスの時に一気に攻めるアウトボクシングと、相手との距離を縮めて攻撃を繰り出す接近戦を使い分け、5対0で見事優勝を果たしました。
高志館高校ボクシング部は創部26年で全国優勝者を何人も輩出している名門校ですが、男子部員の全国優勝は太田選手が初めて。
【太田成恒選手】
「やっと優勝できたという気持ちと、姉と同じ大会で優勝できてうれしい気持ちだった」
太田さんがボクシングを始めたのは中学一年生の時。姉の彩睦さんがボクシングをしていたことがきっかけで始めました。姉も高校の全国大会で優勝を果たしていて、その背中を追い続けていました。そんな太田選手の強みは誰にも負けないそのスピード。重量級は一般的にパンチ力が強いのが特徴ですがその分、軽量級の選手に比べてスピードやフットワークが鈍くなることも。しかし太田選手は重量級の選手が苦手とするスピードを極め優位に試合を進めようと、全ての練習メニューで常にスピードを意識しています。
【太田成恒選手】
「ちゃんと練習しないと勝てない。少しでも手を抜いて練習したら勝てなくなる」
全国優勝者を出し、数々の選手を見てきた顧問の前田先生は、
【前田真一監督】
「身体が大きいし重量級でありながらスピードがとにかくあるというところが彼の特徴。日の丸を背負って日本代表となれるような選手になってくれたらなと思っているし、充分期待ができる選手だと思っている」
毎日一緒に練習している部員たちも…
【後輩】
「すごくレベルが高くてスピードも速く、パワーもあってすごい選手。
【同級生】
「スピードもとても速くて自分は軽量級だけどついてこれないときもあってすごいと思う。人一倍練習している」
そんなストイックな太田選手、試合前の減量では1カ月で7キロ落とします。
【太田成恒選手】
「(普段の)3分の1くらい(の量)になります。みんなで(減量)するとあまり食べている人もいないので一緒に頑張れる。「(教室より)こっちのほうが食べやすい」
他にも…
【太田成恒選手】
「半身浴をするときは40℃に設定して、2時間を5回に分けて入っています」
汗を流し、7キロ中2キロはお風呂で落とします。さらにこんなことまで…
【太田成恒選手】
Q・それは今何をしているんですか?「靴を整理整頓しています」
Q・なぜ整理整頓をしているんですか?「靴を整理整頓したら運が集まるからです。運は試合で大事だから」
高校2年生の時に行われた九州大会で、接戦となり、判定の末ぎりぎりで勝てた経験が。その試合の前に徳を積む行動をして以来、今では日課となっています。
そして試合間近になると…
【太田成恒選手】
「この前の試合でよかったところ教えて」
【姉・太田彩睦さん】
「この間は、練習してきたことをしっかり出して自信もって戦えていたところがすごく良かったと思う」
【太田成恒選手】
「逆に悪かったところは?」
【姉・太田彩睦さん】
「悪かったところは初戦とかたぶん緊張もあって手数少なくて相打ちの場面とかすごくひやひやするところもあった」
試合動画を見てよかったところや改善点を教え合いお互いを鼓舞します。
誰よりも自分を追い込み練習に励む太田選手。武器のスピードに磨きをかけ、目指す先は…?
【太田成恒選手】
「インターハイと国スポで優勝して、3冠すること。そしてオリンピックで金メダルを取る」
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