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“洋上のチェス” セーリング 東京五輪出場後に現役引退も国スポに向け再スタート

配信:
2023/4/18 5:16:33
“洋上のチェス” セーリング 東京五輪出場後に現役引退も国スポに向け再スタート
SAGATVニュースセーリング



シリーズでお伝えしている「かちスポ」です。今回は海の上で戦うセーリングで東京オリンピックに出場した男性。一度は現役を引退したものの、来年の国民スポーツ大会を見据え再スタートを切っています。

風を操り、大海原を駆ける「セーリング」。

【南里研二選手】
「自然を相手にするので、すごく風が変わってるとか見極めてやるのが楽しい」

南里研二選手30歳。8年ぶりに戻ってきた唐津の海で国スポの頂点を目指します。
唐津市のヨットハーバー。1人黙々と艇の準備を進めているのが…南里選手です。
南里選手が乗るのは4.23メートルのヨット。「レーザー級」と呼ばれ世界で最も普及している1人乗りの艇です。

【南里研二選手】
Q・雨が降ってて風も強い。こんな時も練習する?
「練習もありますし、これくらいならレースもあります。雷が鳴らない限りほぼほぼレースがある。一番困るのは風がないこと。風がないと走れないので」

艇にエンジンは付いていません。帆に受けた風をエネルギーに変えて水の上を進んでいきます。その速さは時速30キロです。
セーリングは決められた順番でマークを回り、ゴールの速さを競うシンプルなルール。一方、レース中は「人」だけではなく「自然」という相手と向き合う難しさがあります。

【南里研二選手】
「風をどれだけ“見られるか”というところと、スピードを安定して出せるか。風のコンディションとか海の状態が一定ではないのでそれに合わせないといけないのが難しい」

無数にある選択肢から最速のルートを見極めるには風を読む力と緻密な戦略が必要です。このためセーリングは、“洋上のチェス”とも呼ばれる頭脳的なスポーツなんです。

【南里研二選手】
「セーリングの楽しさは駆け引きがたくさんあって自然を相手にするので海見てもらってもすごく風が変わってるとかそういうのを見極めるのが楽しい。例えば海を見ると色が白くなっていたり黒くなっていたりするんですけど、それによって風の強弱を見ています」

小学生のころ、父親の勧めで競技を始めた南里選手。巧みな技術とパワーを武器に、高校時代には国体三連覇、卒業後も全日本選手権で2度の優勝に輝くなど常に第一線で活躍してきました。
2020年には東京オリンピック出場の夢を実現。「これ以上目指すものはない」と、おととし現役を退きました。しかし再び競技に向き合うことになります。

【南里研二選手】
「佐賀県から「もう一回やってみようよ」というオファーがあったのですごく葛藤はあったんですけど、会社も決まってこれだったら自分もやっていけるというバックアップ体制もあるのでまた始めようと。最後の国スポで終わろうという形」

県のSSP構想による支援で佐賀市の民間企業に就職した南里選手。週2日、会社員として働きながら“国スポの頂点”という新たな目標を掲げ競技を再開することにしました。

【同僚】
「おっとりのんびりしている優しい印象を受けると思う、実際に海に出たら目の色が変わって戦われているので本当に違う姿ですよね」
「(パリ)オリンピックも目指してもらってそれに伴ってミゾタも盛り上がってくれたら」

次の舞台を見据え、南里選手が特に大事にするトレーニングがあります。

艇…ではなく自転車。身長190センチ、体重88キロの南里選手は強い風をエネルギーに変えて加速するプレースタイル。
風で倒れそうになる艇を体を投げ出しながら抑える足の筋力が必要不可欠です。

【南里研二選手】
「時期によるんですけど、こっち(自転車)の方が長いです。海の上で集中してトレーニングを効率的にできるのは3時間が限界」

セーリングを始めて21年目。一度引退しながらも再出発した南里選手はさらなる高みを目指しています。

【南里研二選手】
「まずは2024年のパリ五輪に出場するのが目標。絶対勝たなきゃいけないと感じているのが佐賀の国スポ。地元国体で勝ったらうれしいし、セーリング競技はマイナー種目で見てもらう機会が少ないので広まるきっかけになれば」

記事
株式会社サガテレビ -

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