パリオリンピック出場をかけアジア大陸別予選に挑戦 格闘技テコンドー 岡本留佳さん

シリーズでお伝えしている「かちスポ」。今回はテコンドーです。佐賀工業3年の岡本留佳さんが15日からパリオリンピック出場をかけアジア大陸別予選に挑戦します。3歳から佐賀で続けてきたテコンドー。得意の蹴り技を武器に目標はもちろんオリンピックでの金メダルです。

【岡本留佳さん】
「オリンピックへの思いが強い選手を倒して自分は日本代表になったので、その選手たちの分を頑張る気持ちで。この日の丸を背負って頑張りたいなと思います」

今年1月7日、テコンドーのオリンピック出場権をかけたアジア大陸別予選を戦う日本代表に佐賀県出身の選手が選ばれました。佐賀工業高校3年生、岡本留佳さんです。

【岡本留佳さん】
「今回の大会で優勝してアジア大陸別予選に出場することで、パリオリンピックに出場できる道が近づいたので、これから頑張っていきたいと思います」

テコンドーとは、「足のボクシング」と呼ばれる格闘技で、勝敗を決める得点は、打撃が当たる部位とどのように当たったかにより違います。
相手の胴体に打撃を当てる場合、パンチは1点。蹴りは2点。回転を加えた蹴りになると4点が加算されます。また、相手の頭部には蹴りのみが認められていて、そのまま蹴ると、3点。回転が加わっていると5点となります。2分間の試合を3ラウンド行い、より多くのラウンドを取った選手が勝利となります。

代表選考会での岡本さんの最後の対戦相手は東京オリンピックに出場し、世界5位となった代表の大先輩山田美諭さん。

【岡本留佳さん】
「山田美諭さんの方が身長が高くてその前足とかも速くて長いので、自分はそのステップを大事にして」

そのステップから岡本さんは先制点を奪います。リードしたまま第2ラウンドへ。

【岡本留佳さん】
「パンチも自信あるので。結構この試合パンチで。試合の流れというか変わったかなと思うので、そこは良かったかなと思います」

第2ラウンドでは、2点追いかける状況でパンチが決まり1点差に。もう一度パンチで同点に追いついてから頭部への蹴りで逆転。2ラウンドを連取し見事パリ五輪アジア大陸別予選の日本代表を勝ち取りました。

【岡本留佳さん】
「大先輩に勝ったっていうことを無駄にしないように。その次の大陸予選では頑張ろう！っていう気持ちになりました」

3歳のころ母親の影響で始めたテコンドー。オリンピックに3大会連続で出場した濱田真由さんと同じ佐賀市のクラブで技術を磨いてきました。12年前、全日本ジュニア大会で初めて優勝したときには将来の夢をこう語っていました。

【岡本留佳さん当時6歳】
「真由選手みたいになりたいです。オリンピックで優勝したいです」

夢に向けて着実に進む岡本さん。去年6月に行われた世界選手権では銅メダルに輝き、全日本選手権では3連覇を果たしました。抜きんでた強さを誇る岡本さんですが、オリンピックで戦うには、ある壁があります。

【岡本留佳さん】
「49キロ級になると自分はちょっと小さい方なので」

全日本選手権などでこれまで戦ってきた46キロ級はオリンピックでは適用されず、一つ上の49キロ級で戦う事になります。

【岡本留佳さん】
「自分の得意な前足からの上段蹴りとかも伸ばしつつ、近くに入って蹴る練習をしてきました」

そして3月1日。夢のオリンピックまであと一歩と迫った岡本さんはこの日佐賀工業高校の卒業式を迎えました。
遠征で学校に行けない日も多かった岡本さんですが、式の後には、多くの友人と絶えず記念撮影。高校生らしい姿を見せていました。春からは県内の西九州大学に進学。県外にあるテコンドーの強豪大学ではなく、”佐賀”でテコンドーを続けることを選びました。

【岡本留佳さん】
「濱田真由選手が結構憧れの先輩なんですけど、その佐賀でずっと頑張ってきて、佐賀から世界に羽ばたいてる選手だったので、自分も佐賀でずっと今までやってきたので、佐賀から活躍できるような選手になりたいなって思って佐賀にいることを選びました」

夢のオリンピックの出場権をかけた戦いはいよいよ3月15・16日。中国で行われるアジア大陸別予選で2位以内に入らなくてはなりません。

【岡本留佳さん】
「すごい激戦な戦いになってくると思うんですけど。自分に自信を持つことが一番大事かなって思って。必ず2位以上に入って自分の夢だったパリオリンピックの出場権を獲得してパリオリンピックではメダルが獲得できるように頑張ります」