【佐賀から世界へ】BMXフラットランド 中川きらら Vol.2「世界一への挑戦」
BMXで世界で活躍する高校生が佐賀にいる。佐賀東高校3年の中川きらら選手。これまでに出場した世界大会は4つ。その全てで表彰台に登っている。
第2弾では、初めての全国大会からこれまでに出場した世界大会、そしてきらら選手の未来への思いに迫る。
刺激を得た初公式戦
初めて出場した公式戦は2021年7月に開催された「マイナビJapanCup越谷」。きらら選手は当時高校1年生。全国の猛者との戦いを楽しみにしていた。
しかし、エントリーした女子エリートクラスの出場者は1人しかおらず、この大会では自分の実力をぶつける相手がいなかった。
この時を振り返って、「自分が出場したクラスが1人しかいなくて不完全燃焼だったんですけど、下のクラスの子たちが本当に上手くて刺激を受けました。佐賀では通用するけど、全国で見たら私の技ってそうでもないかもなと思ったのを覚えています。」
日本チャンピオンへ
「マイナビJapanCup越谷」で戦う相手がおらず、優勝したきらら選手。その知らせは他のライダーへ届いていた。
同年9月に岡山県で行われた第5回全日本選手権では得意のロングルーティンの中にノーハンドのフロントヤードという高難易度の技を見事にメイクし、日本チャンピオンのタイトルを獲得した。
活躍の場は世界へ
2022年11月にはアラブ首長国連邦・アブダビで行われた「2022UCIアーバンサイクリング世界選手権」に日本代表として出場。
世界大会は雰囲気が全く違うという。観客も含め会場ごと緊張しているような張り詰めた雰囲気の中、日本代表というプレッシャーものしかかる。そんな中でも銅メダルを獲得した。
きらら選手は、「めちゃくちゃ緊張してました。予選では技を決めることができたんですけど、決勝では全然上手くいかなくて。初めての世界で3位は嬉しかったんですけど、実力を出しきれなかったので悔しさの残る大会でした。」と振り返った。
緊張と向き合って臨んだワールドカップ
今年の5月にフランス・モンペリエで開催された「FISE WORLD SERIES MONTPELLIER 2023」。
「緊張とうまく向き合ってBMXを楽しむ」ことを目標に臨んだ。きらら流の緊張のほぐし方はコミュニケーション。周りの選手に話しかけたり、応援したりとBMXの「まずは楽しむ」ことを心がけた。そして準優勝を手にした。
きらら選手は、「ミスは何回かあって優勝できなかったことは悔しかったんですけど、楽しく乗れて、『また頑張ろう』と前向きになれた大会でした。」と話した。
出し切って感じた世界レベル
自身2度目となる世界選手権「UCI自転車世界選手権2023」が今年の8月にスコットランド・グラスゴーで開催された。
様々な大会を経験し、この舞台へ帰ってきた。決勝へ進んだきらら選手は決めたかったというトリックを決め、バリエーションあるライディングを見せるも3位銅メダル。
「ミスはあったんですけど、自分の納得いくライディングができました。実力を出し切っての3位で世界との差を感じた大会でした。」
きらら選手が描く未来
「どんな選手になりたいですか?」と聞くと、
「まずは世界で1位になりたいです!そして、色んな人に支えてもらって、力をもらっているので、他の選手から尊敬される、憧れられるようなライダーになって、何かパワーを与えられたり、BMXの認知度向上に貢献できたらいいなと思っています。」と笑顔で話した。
佐賀から世界一を目指すきらら選手。夢を真っ直ぐに語るその言葉や表情は人を惹きつけ、勇気づけるものがあり、応援したくなる選手だった。これからの彼女の世界一への挑戦を追いかけていきたい。
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佐賀初BMXflatland専用の屋内施設「BMX room Star☆」
きらら選手の活躍をサポートするために佐賀のライダーを中心にOPENした施設であり、BMXを行う場所がなく、「乗りたくても乗ることのできないライダーのための場所」としてコーチの藤井さんと母の麻紀さんで運営されています。
事前予約制でレンタルもあり、初心者でも楽しめる場所となっています。