【春高バレー直前】「3年生の人間的な成長がチームを優勝に導いた」 佐賀学園女子バレーボール部 佐保孝明 監督

高校バレーの集大成となる”春高”。女子決勝では、昨年の同大会、総体の覇者である佐賀清和高校と総体では準決勝敗退と涙をのんだ佐賀学園高校との対戦となった。注目の対戦は、佐賀学園高校がセットカウント3-1で佐賀清和高校を下し、春高バレーを出場を決めた。
高校総体の準決勝敗退という結果を経て、春高バレーに向けてどう取り組み、どういう変化があったのか。佐保孝明監督に迫る。
総体敗退後のチーム方針と取り組みの変化
「総体では二連覇中だったので、3連覇を目指してかなり追い込みましたが、そのプレッシャーが硬さにつながり、良い結果には結びつきませんでした」と振り返る。しかし、試合内容自体は悪いものではなかったとその経験を踏まえて春高に向けた準備を進めた。
「特に力を入れたのは体力づくりと基礎練習の見直しです。また、チームのポジションを再構築することで、全体の底上げを図りました。この積み重ねが優勝につながったと思います。」
鳥栖商業戦の成長
春高に向けた準備の成果は、総体と同じ対戦カードとなった鳥栖商業戦の準決勝で発揮された。1セット目を先取され、総体での敗北が脳裏をよぎったものの、「2セット目の途中からメンバー交代をきっかけに調子が上がり、セットを取り返しました。その時、チームとしての成長を実感しました」と佐保監督。
「今年のチームは高さがない分、ブロックやディフェンス、サーブの精度を徹底的に磨きました。その結果、鳥栖商業の粘り強いバレーに負けることなく勝利することができた。」と振り返る。
決勝戦での展開
佐賀清和高校との決勝戦について、「1セット目から吉田選手のサーブが効き、こちらの望む展開に持ち込めました。セッターの田中選手が5人のアタッカーに攻撃を分散させることで、スパイカーの能力を最大限に引き出し、清和のブロックを分散させることができたんじゃないかな。」と振り返り、
途中で主将が足をつるアクシデントもあったが、「昨年も同様の経験があり、練習の段階から誰かが欠けた際のカバーリングを意識してきました」と受け継いできたものもあってこその勝利だった。
チームとしての成長
「3年生が人間的に大きく成長しました。」意見がぶつかることもあった初期段階を経て、選手たちは互いの個性を理解し、勝つために何をすべきかを自ら考えるようになった。「自分たちで行動する中で、私が必要なアドバイスをする形に変わり、チーム全体の成長を感じました。」
春高バレーに向けた意気込み
初戦の相手は2年前の春高の覇者、計16回の全国優勝を成し遂げている全国屈指の強豪校、古川学園。「古川学園が勝つだろうと思う人が多いと思いますが、思い切りのあるバレーで相手が想定していないプレーを展開したいです。特に私たちの武器であるサーブで相手を崩していきたい」と照準を合わせている。
「チームの目標は2年前の記録を超えるベスト8入り。個人的には初戦で古川学園を破り波に乗りたい」と力強く語った。
12月30日(月)は、副主将としてチームを支え続けてきた吉田紅羽選手に迫る。
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